漢詩と中国文化 |
HOME|ブログ本館|東京を描く|水彩画|陶淵明|英文学|仏文学|西洋哲学 | 万葉集|プロフィール|BSS |
柏舟(詩経国風) |
汎彼柏舟 汎たる彼の柏舟 在彼中河 彼の中河に在り 湛彼兩髦 湛(たん)たる彼の兩髦 實維我儀 實に維れ我が儀 之死矢靡它 死に之(いた)るまで矢(ちか)って它靡(な)し 母也天只 母や天や 不諒人只 人を諒とせず 汎彼柏舟 汎たる彼の柏舟 在彼河側 彼の河の側に在り 湛彼兩髦 湛たる彼の兩髦 實為我特 實に維れ我が特 之死矢靡慝 死に之るまで矢って它靡し 母也天只 母や天や 不諒人只 人を諒とせず 汎然と浮かぶ柏の船が、河の真ん中で漂っています、湛然と両側に垂れ下がったあの髪、あの人こそわたしの思い人でした、わたしはあの人に死ぬまで誠を尽くします、なのに母も天も、わたしの誠をわかってくれない 汎然と浮かぶ柏の船が、河の岸で漂っています、湛然と両側に垂れ下がったあの髪、あの人こそわたしの何より大切な人でした、わたしはあの人に死ぬまで誠を尽くします、なのに母も天も、わたしの誠をわかってくれない 死んだ許婚への変わらぬ愛を歌った歌である。河に浮かぶ船の姿に許婚の面影を感じ、そこから許婚への永遠の愛を誓う、母や天が自分をわかってくれなくとも、自分はもうほかの男に嫁ぐ気持ちはないのだと、訴えている |
前へ|HOME|詩経国風|次へ |
作者:壺齋散人(引地博信) All Rights Reserved (C) 2007-2008 このサイトは、作者のブログ「壺齋閑話」の一部を編集したものである |