漢詩と中国文化 |
HOME|ブログ本館|東京を描く|水彩画|陶淵明|英文学|仏文学|西洋哲学 | 万葉集|プロフィール|BSS |
江上看山 蘇軾 |
蘇軾の七言律詩「江上に山を看る」(壺齋散人注) 船上看山如走馬 船上 山を看れば走馬の如く 倏忽過去数百群 倏忽として過ぎ去ること数百群 前山槎牙忽変態 前山は槎牙として忽ち態を変じ 後嶺雑沓如驚奔 後嶺は雑沓して驚奔するが如し 仰看微徑斜繚繞 仰いで微徑を看れば斜に繚繞し 上有行人高縹渺 上に行人あり高くして縹渺たり 舟中挙手欲與言 舟中 手を挙げて與に言はんと欲すれば 弧帆南去如飛鳥 弧帆 南に去って飛鳥の如し 船の上から両岸の山を見れば、数百という山がすさまじい勢いで去っていく、眼前には入り組んだ山が折り重なり、かと思うと背後に消え去っていく 天上を見上げれば細い道筋が斜めに通じ、そこを歩いている人がはるか彼方に見える、船から手をふって話し掛けようとしても、船は飛鳥の如くに飛び去ってしまうのだ 蘇軾の一行を乗せた船は故郷の眉州を出発した後、岷江を経て長江の本流に入り、東へと下っていく。この詩は重慶を過ぎて山峡へと向かう途中に書かれた。この辺は長江の中でも最も流れが急なところだが、この詩はその様子を生き生きと描き出している。 なおこの船旅は、父蘇洵、弟蘇轍のほかに兄弟の妻たちも同行していた。 |
前へ|HOME|蘇軾|次へ |
作者:壺齋散人(引地博信) All Rights Reserved (C) 2009-2011 このサイトは、作者のブログ「壺齋閑話」の一部を編集したものである |