漢詩と中国文化 |
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畫鷹:杜甫 |
杜甫の五言律詩「畫鷹」(壺齋散人注) 素練風霜起 素練 風霜起る 蒼鷹畫作殊 蒼鷹 畫作殊なり 竦身思狡兔 身を竦(そばだ)てて狡兔を思ひ 側目似愁胡 目を側てて愁胡に似たり 絛施光堪摘 絛施 光摘むに堪へたり 軒楹勢可呼 軒楹 勢ひ呼ぶべし 何當撃凡鳥 何(いつ)か當(まさ)に凡鳥を撃ちて 毛血洒平蕪 毛血 平蕪に洒(そそ)ぐべき 白絹に風霜が起こっているように見えるのは、墨で描かれた鷹の勢いのせいだ、身をそばだててずるがしこいウサギを追い、目をそばだてたさまは異国の動物そのまま 足にはめられた鎖はきらりと光り、いままさに軒から飛び出さんばかりだ、いつか必ず凡鳥を撃って、その羽や地を荒野に飛び散らせるに違いない 杜甫は、絵を見て詠んだ詩、詠画詩を生涯に多く残している。これはその中でも最も初期のもの、30歳代初期に書いた詩である。 墨で描かれた鷹が、あまりにも迫真性を帯びているので、キャンバスを飛び出して大空に羽ばたこうとしていると、杜甫は感嘆をもって歌っている。 |
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作者:壺齋散人(引地博信) All Rights Reserved (C) 2009 このサイトは、作者のブログ「壺齋閑話」の一部を編集したものである |