漢詩と中国文化 |
HOME|ブログ本館|東京を描く|水彩画|陶淵明|英文学|仏文学|西洋哲学 | 万葉集|プロフィール|BSS |
有狐:行役に従う夫を気遣う(詩経国風:衛風) |
有狐綏綏 狐有り綏綏(すいすい)たり 在彼淇梁 彼の淇の梁(はし)に在り 心之憂矣 心之(こ)れ憂ふ 之子無裳 かの子裳(もすそ)無からん 有狐綏綏 狐有り綏綏たり 在彼淇氏@ 彼の淇の氏iがけ)に在り 心之憂矣 心之れ憂ふ 之子無帶 かの子帶無からん 有狐綏綏 狐有り綏綏たり 在彼淇側 彼の淇の側に在り 心之憂矣 心之れ憂ふ 之子無服 かの子服無からん キツネが何かを求めて、淇水の梁を渡っていきます、それを見るとわたしの心は乱れて夫のことを思い出します、さぞや下着も破れたことでしょう キツネが何かを求めて、淇水の崖を渡っていきます、それを見るとわたしの心は乱れて夫のことを思い出します、さぞや帯もちぎれたことでしょう キツネが何かを求めて、淇水の傍らを渡っていきます、それを見るとわたしの心は乱れて夫のことを思い出します、さぞや服もぼろぼろになったことでしょう 行役に従う夫の安否を気遣った歌である。綏綏は何かを求めて前後左右に独りいくことをいう、キツネのその姿に夫の頼りない気持ちを読み取ったのであろう。之子は夫をさしていう言葉である。 |
前へ|HOME|詩経国風|次へ |
作者:壺齋散人(引地博信) All Rights Reserved (C) 2007-2008 このサイトは、作者のブログ「壺齋閑話」の一部を編集したものである |