漢詩と中国文化 |
HOME|ブログ本館|東京を描く|水彩画|陶淵明|英文学|仏文学|西洋哲学 | 万葉集|プロフィール|BSS |
桃夭:花嫁の歌(詩経国風:周南) |
桃之夭夭 桃の夭夭たる 灼灼其華 灼灼たり其の華 之子于歸 この子ここに歸(とつ)がば 宜其室家 其の室家に宜しからん 桃之夭夭 桃の夭夭たる 有粉其實 粉(ふん)たり其の實 之子于歸 この子ここに歸がば 宜其家室 其の家室に宜しからん 桃之夭夭 桃の夭夭たる 其葉蓁蓁 其の葉蓁蓁たり 之子于歸 この子ここに歸がば 宜其家人 其の家人に宜しからん 桃は若々しく、その花は燃えるようだ、その桃のような娘が嫁いだならば、きっと素晴らしいお嫁さんになるだろう 桃は若々しく、その実はふっくらとしている、その桃のような娘が嫁いだならば、きっと素晴らしいお嫁さんになるだろう 桃は若々しく、その葉はふさふさとしている、その桃のような娘が嫁いだならば、きっと家中の人が喜ぶだろう 古来中国人の間で、結婚式の席上好んで歌われてきた歌である、日本で言えば四海波のような位置づけであるが、その歴史は比較にならぬほど遠い 桃の初々しい姿を乙女の姿に重ね合わせ、花、実、葉についてそのみずみずしさを強調し、その桃のような乙女が嫁に行った家はさぞ幸せだろうと、のびのびとした祝いの感情を述べているところがよい |
前へ|HOME|詩経国風|次へ |
作者:壺齋散人(引地博信) All Rights Reserved (C) 2007-2008 このサイトは、作者のブログ「壺齋閑話」の一部を編集したものである |