漢詩と中国文化
HOMEブログ本館東京を描く水彩画陶淵明英文学仏文学西洋哲学 | 万葉集プロフィールBSS


上三峽:李白


李白の五言古詩「三峽を上る」(壺齋散人注)

  巫山夾青天  巫山 青天を夾み
  巴水流若茲  巴水 流るること茲(かく)の若し
  巴水忽可盡  巴水は忽ち盡すべくも
  青天無到時  青天は到る時無し
  三朝上黄牛  三朝 黄牛を上り
  三暮行太遲  三暮 行くこと太だ遲し
  三朝又三暮  三朝 又三暮
  不覺鬢成絲  覺えず 鬢絲と成るを

巫山が青天をはさんでそそり立ち、巴水はその名のごとく曲がりくねって流れている、巴水はやがて通り過ぎることができるが、青天は到達することができぬ

三たびの朝黄牛山を上り、見たびの暮を迎えたが遅々として船は進まぬ、三朝 又三暮、気がついたら鬢が白糸のようになっていた


夜郎に向かう途中、三峽に差し掛かったときの作、巫山では両岸絶壁が川においかぶさり、そのため空が挟まれて見える、また黄牛山は尽きるともなく連なっているので、それを過ぎるのには数日かかるといわれた、






前へHOME李白次へ




 


作者:壺齋散人(引地博信) All Rights Reserved (C) 2007-2010
このサイトは、作者のブログ「壺齋閑話」の一部を編集したものである