漢詩と中国文化 |
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秋浦歌十七首其一:李白 |
李白の五言古詩「秋浦歌十七首其一」(壺齋散人注) 秋浦長似秋 秋浦長へに秋に似たり 蕭條使人愁 蕭條として人をして愁へしむ 客愁不可度 客愁度(すく)ふべからず 行上東大樓 行きて東の大樓に上る 正西望長安 正西に長安を望み 下見江水流 下に江水の流れを見る 寄言向江水 言を寄せて江水に向かふ 汝意憶儂不 汝の意儂(われ)を憶ふや不(いな)や 遙傳一掬涙 遙かに一掬の涙を傳へ 為我達揚州 我が為に揚州に達せよ 秋浦はその名の如く常に秋の気配に包まれている、その物寂しい様子に自分も憂いがちになる、旅情に耐え切れずに、東の大樓に上れば、真西には長安を望み、足下には長江が流れる 川の水に言を寄せて送り届けたい、どうか我が思いを察して欲しい、我が涙を川水と共に運び去り、揚州まで送り届けてくれ 秋浦は安徽省長江流域の街、風光明媚な水郷として知られる、李白はこの町が気に入って50歳代半ばに3年ほど滞在している この歌は、旅情にかられながら家族を思いやった歌だ、自分の涙を揚州にいる家族の下に送り届けてほしいと、長江に向って叫んでいる |
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作者:壺齋散人(引地博信) All Rights Reserved (C) 2007-2010 このサイトは、作者のブログ「壺齋閑話」の一部を編集したものである |