漢詩と中国文化
HOMEブログ本館東京を描く水彩画陶淵明英文学仏文学西洋哲学 | 万葉集プロフィールBSS


秋登宣城謝兆北樓:李白


李白の五言律詩「秋に宣城の謝?北樓に登る」(壺齋散人注)

  江城如畫裏  江城 畫裏の如く
  山晩望晴空  山晩れて晴空を望む
  兩水夾明鏡  兩水 明鏡を夾み
  雙橋落彩虹  雙橋 彩虹を落とす 
  人煙寒橘柚  人煙 橘柚寒く
  秋色老梧桐  秋色 梧桐老ゆ
  誰念北樓上  誰か念はん北樓の上
  臨風懷謝公  風に臨んで謝公を懷はんとは

川沿いの町は絵のように美しく、山に日が落ちる頃青空を見る、二つの川の澄んだ流れが町を挟み、二つの橋が川面に五色の二次のように姿を映す

人家の煙がたなびく中蜜柑が寒さを冒して黄ばみ、秋の気配の中で桐が葉を落とす、思いもよらず謝?ゆかりの北樓の上に立って、風に吹かれながら謝公をしのぶことができた


謝?は六朝時代の詩人で李白がことのほか敬愛したことで知られる。風景の描写に優れていた。宣城はその謝兆が太守として赴任していた町で、李白はしばしば訪れた。詩のテーマとなっている北樓は謝兆が建てさせたものだとされる。






前へHOME李白次へ






 


作者:壺齋散人(引地博信) All Rights Reserved (C) 2007-2010
このサイトは、作者のブログ「壺齋閑話」の一部を編集したものである