漢詩と中国文化
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東坡八首其五:蘇軾を読む



蘇軾の五言古詩「東坡八首其五」(壺齋散人注)

  良農惜地力  良農は地力を惜しむ
  幸此十年荒  此の十年の荒を幸とす
  桑柘未及成  桑柘未だ成るには及ばざれど
  一麥庶可望  一麥望むべきに庶(ちか)し
  投種未逾月  投種して未だ月を逾(こ)えざるに
  覆塊已蒼蒼  塊を覆ひて已に蒼蒼たり
  農夫告我言  農夫我に告げて言はく
  勿使苗葉昌  苗葉をして昌かんならしむる勿れ
  君欲富餅餌  君餅餌に富まんと欲すれば
  要須縱牛羊  要(かならず)須らく牛羊を縱(はな)つべしと
  再拜謝苦言  再拜して苦言に謝す
  得飽不敢忘  飽くを得なば敢へて忘れず

良農は地力を惜しむもの、幸いこの畑は10年耕作せず地力はある、桑柘がなるには及ばないが、麦の実くらいは実るだろう

種を植えてまだ一月にもならぬのに、もう芽が出て青々としている、

農夫が自分に向かっていうには、苗を伸び放題にしておいてはならぬ、収穫を多くしたいと思ったら、牛羊を放って踏ませろと

ご忠告に感謝します、腹いっぱいになるようなことがあったら忘れはいたしますまい






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