漢詩と中国文化
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上邪:古楽府



上邪もまた鐃歌の一つ。上邪とは天への呼びかけとも、あるいは愛するものへの呼びかけともうけ取れる。天への呼びかけとするなら、天に誓って自らの愛の強さを述べたとも受け取れる。

ここでは、簡単に愛するものへの呼びかけとして解釈した。それでも、愛の誓いの強さは十分に伝わることと思う。


上邪

  上邪        上邪
  我欲與君相知  我君と相知り
  長命無絶衰    長命絶え衰ふること無からんと欲す
  山無陵       山に陵無く
  江水為竭      江水 為に竭き
  冬雷震震      冬雷震震として
  夏雨雪       夏に雪雨り
  天地合       天地合して
  乃敢與君絶    乃ち敢て君と絶たん

あなたさま、わたくしはあなた様と出会い、命のある限り心変わりなく、あなた様とともにありたいと願うのです(上邪<じょうや>は愛する者への呼びかけの言葉、女の男に対するか、あるいは男の女に対するかは、問わない)

山に丘がなくなり、川に水がなくなり、冬に雷が震震と鳴り響き、夏に雪が降って、天地が合わさるほどの天変地異が生じるとき、その時に始めて、わたくしはあなた様から引き離されるでしょう






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