漢詩と中国文化 |
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正月三日間行:白楽天を読む |
白楽天の七言律詩「正月三日間行」(壺齋散人注) 黄鸝巷口鶯初語 黄鸝巷口 鶯初めて語り 烏鵲河頭氷欲銷 烏鵲河頭 氷銷(き)えんと欲す 緑浪東西南北水 緑浪 東西南北の水 紅欄三百九十橋 紅欄 三百九十橋 鴛鴦蕩漾双双翅 鴛鴦 蕩漾す 双双の翅 楊柳交加万万条 楊柳 交加す 万万の条 借問春風来早晩 借問す 春風の来たること早晩 只従前日到今朝 只だ前日より今朝に到る 黄鸝巷のあたりでは鶯が初めて鳴き、烏鵲河のほとりでは氷が消えようとする、東西南北どの方向でも緑の波をたたえた水が流れ、三百九十もの紅欄の橋が架かっている(黄鸝巷:蘇州にある小路の名、烏鵲河:蘇集を流れる運河) 水面にはおしどりが羽を並べて浮かび、水辺では楊柳が幾万もの枝を垂れる、お聞きするが、春風はいつ吹き始めたのですかの、たった昨日から今朝にかけてですよ 宝暦二年(826、55歳)の正月、蘇州の町を散策しながら詠った詩。蘇州は水の都、町中を運河が網の目のように流れ、そこに三百九十もの橋が架かっている。中国有数の美しい町だ。 |
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作者:壺齋散人(引地博信) All Rights Reserved (C) 2009-2014 このサイトは、作者のブログ「壺齋閑話」の一部を編集したものである |